このページは、第一級陸上無線技術士「無線工学A」令和5年(2023年)1月期 第1回(全25問)の解説です。
試験問題そのもの(問題文・選択肢)は、著作権の関係で転載していません。代わりに、各問が「どんなテーマを問うているか」を要約し、その概念と解き方を解説しています。実際の問題は、日本無線協会が公開している過去問でご確認ください。
科目全体の攻略法は無線工学A 攻略、勉強の進め方は独学合格ロードマップをどうぞ。
各問には「令和5年1月期1回 工学A A-1」のような通し番号を付けています。今後ほかの年度・回の解説が増えると、同じテーマの問題どうしを「関連」でリンクしていきます。
この回(令和5年1月期 第1回)の他科目の解説:無線工学の基礎/無線工学B/法規
A-1 トレリス符号化8PSK(符号化変調)の原理
要約:8PSKに集合分割を施して符号化変調を構成する問題。分割の各段階で符号間の最小ユークリッド距離がどう拡大するか、特定のビット配置に対応するシンボル点の位置を問う。
解説:符号化変調は変調と誤り訂正を一体化し、信号点を段階的に部分集合へ分けて各段の最小ユークリッド距離を広げていく手法。半径1の円周上に8点を置く8PSKでは、弦の長さが2sin(θ/2)で表せることを使い、隣接点より対向(反対側)の点どうしの距離が大きいことを利用する。分割を進めるほど距離が2へと拡大していく。畳み込み符号と組み合わせた符号化率2/3のトレリス符号化8PSKは、同じ2bit並列伝送のQPSKより符号化利得を高くできる。円周上の幾何と集合分割の考え方がカギ。
関連分野:デジタル変調・符号化変調(同分野の過去問が増え次第、ここにリンクを追加します)
A-2 地上デジタル放送(ISDB-T)伝送路符号化部の各ブロック
要約:ISDB-T送信側の伝送路符号化部を構成する各ブロック(TS再多重化、リードソロモン符号化、エネルギー拡散、バイトインターリーブ、時間・周波数インターリーブ)の働きの説明から、誤っているものを選ぶ問題。
解説:信号はTS再多重化→リードソロモン外符号→エネルギー拡散→バイト/畳込み内符号→時間・周波数インターリーブ→OFDM変調の順で処理される。各ブロックの目的(RSは外符号としての誤り訂正、エネルギー拡散は同符号連続を避けてクロック再生を容易にする擬似乱数化、インターリーブはバースト誤りの分散)を正確に押さえていれば、数値や役割をすり替えた選択肢を見抜ける。各ブロックの役割と処理順序を整理しておくのがカギ。
関連分野:放送方式・ISDB-T(同分野の過去問が増え次第、ここにリンクを追加します)
A-3 AM送信機の2波同時変調と搬送波電力
要約:搬送波を2つの単一正弦波で同時に振幅変調したときの全電力が与えられ、それぞれの変調度から搬送波電力を逆算する問題。
解説:変調度mの単一正弦波で変調したときの全電力はPc(1+m²/2)。2波同時なら全電力=Pc{1+(m1²+m2²)/2}。m1=0.48、m2=0.64を入れると係数は1+(0.2304+0.4096)/2=1.32。よってPc=15.84/1.32=12.0kW。変調度の2乗が電力増分に効くことと、複数波では各2乗和で足し合わせる点を押さえる。
関連分野:AM・電力計算(同分野の過去問が増え次第、ここにリンクを追加します)
A-4 FM波の占有周波数帯幅(ベッセル関数)
要約:側帯波の振幅(第1種ベッセル関数の2乗値)の表を使い、占有周波数帯幅に含まれる側帯波の最大次数nと帯域幅Bを求める問題。
解説:変調指数m=最大周波数偏移/変調周波数=40/10=4。表のm=4の列で各次数の電力Jn²を搬送波(n=0)から両側へ積算し、全電力の99%に収まる最も外側の次数を求める。占有周波数帯幅は、その最大次数をNとしてB=2×N×(変調周波数)で計算する。ベッセル表の読み方と「占有帯域=全電力の99%」の定義が要。
関連分野:FM・占有周波数帯幅(同分野の過去問が増え次第、ここにリンクを追加します)
A-5 OFDMの復調プロセス(DFT/IDFT)
要約:OFDM信号の復調過程を式で追い、複素ベースバンド信号の標本がデータシンボルをどの変換にかけた形か、復調にどの変換(DFT/IDFT)を用いるかを問う問題。
解説:送信側は各サブキャリアのデータを逆離散フーリエ変換(IDFT)で時間波形に合成している。受信側でベースバンドへ落として標本化すると、標本列はデータシンボルをIDFTした形になる。したがって復調はその逆操作、すなわち離散フーリエ変換(DFT)で各サブキャリアのシンボルを取り出す。指数項e^{−j2πnk/N}の符号の向きと、DFTとIDFTの対応関係を取り違えないことがポイント。
関連分野:OFDM・直交変換(同分野の過去問が増え次第、ここにリンクを追加します)
A-6 スーパヘテロダイン受信機の影像周波数
要約:受信周波数・中間周波数と、局部発振器が受信周波数より低いという条件から、影像(イメージ)周波数を求める問題。
解説:局発が低い側なので局発周波数はfL=fr−fIF。影像周波数は局発を挟んで受信周波数と反対側にあり、fimage=fL−fIF=fr−2fIF。fr=2,800、fIF=455を入れると2,800−910=1,890kHz。「影像は受信周波数から中間周波数の2倍だけ離れる」と覚えれば即答できる。局発が高い側か低い側かで±が変わる点に注意。
関連分野:受信機・影像周波数(同分野の過去問が増え次第、ここにリンクを追加します)
A-7 FM波のS/N改善係数
要約:与えられたS/N改善係数の式に数値を代入し、dB値を求める計算問題。
解説:I=10log10{3・fd²・B/(2・fp³)}。変調指数mf=fd/fp=4より、fd=4×fp=4×3k=12kHz。これとB=30kHz、fp=3kHzを代入し、対数の中身を素因数に分けてlog102=0.3、log103=0.5で展開する。係数や指数をlogの加減に落とし込めば計算ミスを防げる。最後に最も近い選択肢を選ぶ。
関連分野:FM・S/N(同分野の過去問が増え次第、ここにリンクを追加します)
A-8 逆変調形搬送波再生によるQPSK同期検波
要約:逆変調形搬送波再生回路を用いたQPSK同期検波の動作を式で追い、再生される無変調搬送波の形と、ある位相のときのI軸・Q軸復調出力を問う問題。
解説:QPSK信号cos(ωct+φ)に対し、同期検波で得た符号情報をもとに送信側と逆の変調(位相を戻す)を施すと、データ位相φが打ち消され、φによらない無変調搬送波cos(ωct)へ縮退する。これをPLLで雑音除去して基準搬送波とし、移相器を通して同期検波する。φ=3π/4のときの各軸出力は、その軸の基準位相との差の余弦で決まる。「逆変調=送信変調の打ち消し」という原理理解が核心。
関連分野:QPSK・搬送波再生(同分野の過去問が増え次第、ここにリンクを追加します)
A-9 整流回路のリプル率・電圧変動率・整流効率
要約:整流回路のリプル率γ、電圧変動率δ、整流効率ηを定義式で表したとき、正しい組合せを選ぶ問題。
解説:リプル率=交流分実効値/直流分=ir/IDC。電圧変動率=(無負荷電圧−定格電圧)/定格電圧=(Vo−Vn)/Vn(基準は定格電圧側)。整流効率=負荷へ供給される電力/供給される交流電力=P2/P1。それぞれ「分母に何を取るか」を取り違えないことが大事で、特にδの基準(VnかVoか)とηの分子・分母の向きが定番のひっかけ。
関連分野:電源・整流回路(同分野の過去問が増え次第、ここにリンクを追加します)
A-10 鉛蓄電池の充電方式
要約:鉛蓄電池の充電方式(定電流・定電圧、準定電流、トリクル、浮動)それぞれの説明文と名称を対応づける問題。
解説:定電流・定電圧充電は初期〜中期を定電流で急速充電し途中で定電圧に切り換える方式。準定電流充電は直列抵抗で電流を制限し終期に自然に絞る方式。トリクル充電は待機時の自己放電を補う微小電流で常時充電する方式。浮動(フローティング)充電は負荷と電池を電源に並列接続し、負荷を使いながら充電する方式。各方式の使われ方(予備電源向きか常用かなど)と名称をセットで覚えるのがコツ。
関連分野:電池・充電方式(同分野の過去問が増え次第、ここにリンクを追加します)
A-11 ドプラVOR(DVOR)の原理
要約:DVORの原理について、回転アンテナとドプラ効果による可変位相信号の作り方、標準VOR(CVOR)との両立条件、アンテナ円の直径や回転方向を問う問題。
解説:DVORは円周上を高速で周回する等価アンテナからの電波を、航空機側でドプラ効果により周波数変調された可変位相信号(30Hz)として受ける。中央の固定アンテナは同じ30Hzで振幅変調した基準位相信号を出す。CVORと互換にするため、ドプラによる周波数偏移がCVORの最大周波数偏移と一致するよう円の直径を波長の所定倍にとり、位相の出方を合わせるため周回方向をCVORと逆向きにする。CVORとの位相関係の整合が要点。
関連分野:航行援助・VOR(同分野の過去問が増え次第、ここにリンクを追加します)
A-12 レーダーのパルス圧縮技術
要約:線形周波数変調(チャープ)によるパルス圧縮の原理を問う問題。整合フィルタの特性、圧縮後の尖頭値、探知距離と距離分解能のトレードオフを扱う。
解説:送信時にパルス幅T内で周波数をΔfだけ直線的に掃引し、受信では送信時の周波数変化と逆の遅延特性をもつフィルタ(整合フィルタ)に通すと、パルス幅が1/Δfに圧縮され、尖頭値の振幅は√(TΔf)倍に高まる。探知距離は送信エネルギー(パルス幅)で、距離分解能は圧縮後の狭さ(実効帯域)で決まる。パルス圧縮は「広いパルスで距離を稼ぎつつ圧縮で分解能を得る」両立技術で、時間帯域積TΔfの理解が核心。
関連分野:レーダー・パルス圧縮(同分野の過去問が増え次第、ここにリンクを追加します)
A-13 デジタル無線のフェージング補償技術
要約:フェージング対策技術(自動等化器、ダイバーシティ、マルチキャリア伝送など)の説明から、誤っているものを選ぶ問題。
解説:自動等化器は周波数領域で等化するものと時間領域で等化するものに大別される。トランスバーサル等化器による時間領域の等化は符号間干渉の軽減に有効。ダイバーシティは同時に劣化しにくい複数の通信系を選択/合成して影響を軽減する。マルチキャリア伝送はシンボル長を相対的に長くしてマルチパスに強くする。各技術が「何に効くのか」をすり替えた選択肢が誤りになるので、効果の対象(周波数選択性、バースト誤り、符号間干渉)を正確に対応づける。
関連分野:フェージング・等化技術(同分野の過去問が増え次第、ここにリンクを追加します)
A-14 MSKとπ/4シフトQPSK
要約:MSK方式の変調指数や1シンボルあたりの位相遷移、MSKの位相遷移を不連続化した方式の名称を問う問題。
解説:MSKは変調指数0.5のFSKに相当し、1シンボルで位相が±π/2変化する直交性をもつため、同期検波や遅延検波が可能。位相が連続的に変化するMSKに対し、同様の位相遷移を不連続に与えたものがπ/4シフトQPSK。フィルタを用いず矩形波だけで変調した場合、メインローブの帯域幅はMSKの方が狭い。「変調指数0.5=MSK」「位相遷移量」「方式名」の対応を押さえる。
関連分野:デジタル変調・MSK(同分野の過去問が増え次第、ここにリンクを追加します)
A-15 マイクロ波デジタル無線のC/N配分
要約:理論C/Nと固定劣化から所要C/Nを求め、熱雑音・干渉雑音・歪雑音への配分(割合)から各C/Nを計算する問題。
解説:所要C/N=理論C/N+固定劣化=11.8+4=15.8dB。雑音電力Nを割合(18%/80%/2%)で配分すると、割合が大きい雑音ほどそのC/Nは小さくなる(C一定でNが大きいほどC/Nは下がる)。各割合を真数のN比に直し、log102=0.3、log103=0.48を使ってdB換算すれば各C/Nが出る。dBと真数比の往復、割合とC/Nの逆比関係がポイント。
関連分野:回線設計・C/N配分(同分野の過去問が増え次第、ここにリンクを追加します)
A-16 衛星通信回線の雑音温度
要約:システム雑音温度、低雑音増幅器の等価雑音温度、雑音指数、G/Tなどの関係式の説明から、誤っているものを選ぶ問題。
解説:動作雑音指数はFop=Ts/To。システム雑音温度はアンテナ雑音温度と受信機(多くは初段低雑音増幅器)の雑音温度の和。雑音指数Fと等価雑音温度TeはF=1+Te/Toの関係。G/Tはアンテナ利得と系雑音温度の比で、受信系性能の指標。出力全雑音電力の式や各温度の取り方をすり替えた選択肢が誤りになるので、定義と基準温度Toの扱いを正確に確認する。
関連分野:衛星通信・雑音温度(同分野の過去問が増え次第、ここにリンクを追加します)
A-17 FM送信機の占有周波数帯幅の測定
要約:スペクトルアナライザを使ったFM送信機の占有周波数帯幅測定で、全電力に対する割合、上下側の積算割合、帯域幅の式を問う問題。
解説:占有周波数帯幅は全輻射電力の99%が含まれる帯域として定義される。スペアナで掃引・サンプリングして全電力を求め、下側の周波数から積算して0.5%となる点f1、上側から積算して0.5%となる点f2を求めると、占有帯域=f2−f1。両端を0.5%ずつ(計1%)外して99%を残す、という関係を押さえるのがカギ。
関連分野:測定・占有周波数帯幅(同分野の過去問が増え次第、ここにリンクを追加します)
A-18 オシロスコープ受動プローブの周波数特性補正
要約:オシロの入力部と受動プローブの等価回路で、方形波が相似に見えるための補正容量CTの値と、CTを過大にしたときの周波数特性の崩れ方を問う問題。
解説:10:1プローブは直列のR(9MΩ)と補正容量CT、入力側のRi(1MΩ)と入力容量Ci+ケーブル容量Cで構成される。方形波が歪まない条件は、抵抗分圧比と容量分圧比が一致すること、すなわちR・CT=Ri・(Ci+C)。Ci+C=90pFを入れるとCT=Ri(Ci+C)/R=1×90/9=10pF。CTを大きくすると高域の応答が持ち上がって特性が平坦でなくなり測定誤差になる。抵抗分圧と容量分圧を一致させるのが補正の本質。
関連分野:測定・プローブ補正(同分野の過去問が増え次第、ここにリンクを追加します)
A-19 受信機感度測定(dBm→入力電圧)
要約:標準信号発生器の出力(dBm)と50Ωのインピーダンスから、受信機入力端における信号源の開放電圧(μV)を求める問題。
解説:まず−97.4dBmを電力[W]に直す。整合(50Ω)では負荷にかかる端子電圧Vtから電力はP=Vt²/R。受信機入力電圧は信号源の開放電圧(起電力)と定義されており、整合時は開放電圧=端子電圧×2。よって開放電圧=2√(P・R)。log102=0.3、log103=0.48を使ってdBmを電力・電圧へ展開すると、約6μVが得られる。dBm⇔電力⇔電圧の換算と、開放電圧=端子電圧の2倍という関係がポイント。
関連分野:測定・受信機感度(同分野の過去問が増え次第、ここにリンクを追加します)
A-20 スペクトルアナライザの原理
要約:スーパヘテロダイン方式スペクトルアナライザの周波数分解能、掃引時間、雑音表示、ビデオフィルタの働きを問う問題。
解説:周波数分解能はIFフィルタ(分解能帯域幅RBW)の通過帯域幅で決まる。分解能を高くする(RBWを狭くする)ほど掃引時間は長くする必要がある。RBWが狭いほど取り込む雑音電力が減るので、表示される雑音レベルは低くなる。ビデオフィルタはカットオフ周波数可変の低域フィルタ(LPF)で、雑音電力を平均化して微弱信号を浮き立たせる。RBWと掃引時間・雑音床の関係が定番。
関連分野:測定・スペクトルアナライザ(同分野の過去問が増え次第、ここにリンクを追加します)
B-1 シャノンの限界
要約:通信路容量のシャノン限界の式を導く穴埋めで、各記号(1bitあたりエネルギー、雑音電力密度、C/N)の関係と、帯域を無限大にしたときのEb/N0の限界値を問う問題。
解説:容量上限はR=B・log2(1+C/N)。C=Eb・(n/T)、N=N0・Bと置き換え、n/T=Rを使うとC/N=(Eb/N0)(R/B)。これを代入するとR/B=log2{1+(Eb/N0)(R/B)}。Bを無限大(R/B→0)にとると限界はEb/N0→ln2≒−1.6dB。これがシャノン限界で、信頼性のある通信に必要な最低Eb/N0を表す。記号の置き換えと、極限で−1.6dBが出る流れを押さえる。
関連分野:情報理論・シャノン限界(同分野の過去問が増え次第、ここにリンクを追加します)
B-2 FFTアナライザ
要約:FFTアナライザの特徴(振幅・位相情報、解析可能な上限周波数、バースト信号の解析、逆変換による波形再生、エイリアシングと標本化)について、正誤を判定する問題。
解説:FFTアナライザは各周波数成分の振幅と位相を同時に得られ、限られた時間内のバースト信号も解析できる。解析可能な周波数の上限はA-D変換器の標本化周波数で決まる(D-Aではない点に注意)。エイリアシングを防ぐには、標本化定理どおり標本化周波数を入力信号の最高周波数の2倍より高く設定する必要がある(「低く」とする記述は誤り)。標本化定理の向きを逆にした選択肢が誤りになりやすい。
関連分野:測定・FFTアナライザ(同分野の過去問が増え次第、ここにリンクを追加します)
B-3 WiMAX基地局の空中線電力の偏差測定
要約:バースト送信するWiMAX基地局の空中線電力の偏差を、熱電変換型電力計で測る手順と、バースト区間内電力の算出式を問う問題。
解説:試験機器は最大出力・最大変調状態に設定し、送信バースト時間が最も長くなる条件で測る。熱電対やサーミスタによる熱電変換型電力計は平均電力を指示するので、繰り返しバースト電力PBにデューティ比の逆数(T/B)を掛けて、バースト区間内の平均電力P=PB×(T/B)を求める。これが成り立つのは、デューティ比が一定かつ既知で、計器の時定数が繰り返し周期Tに対して十分長いため。平均電力測定とデューティ補正がポイント。
関連分野:測定・空中線電力(同分野の過去問が増え次第、ここにリンクを追加します)
B-4 検波の基本的な過程
要約:被変調波の検波過程の穴埋めで、包絡線検波と同期検波の違い、同期検波で搬送波を掛けて低周波を取り出す流れ、同相・直交時の出力を問う問題。
解説:高周波成分を除いて振幅の包絡線を直接取り出すのが包絡線検波で、実際に検出されるのは|E0(t)|。同期検波では受信波に同じ角周波数で位相差が既知の搬送波を掛け、その積の高周波成分(2ωc項)を除くと、出力は振幅E0(t)と両信号の位相差の余弦に比例する。位相変調成分がなければ、同相(θs=0)で最大、直交(θs=π/2)で0になる。三角関数の積→和の公式と、高周波項の除去が核心。
関連分野:検波・復調(同分野の過去問が増え次第、ここにリンクを追加します)
B-5 ベースバンド伝送の帯域制限(ナイキスト)
要約:矩形パルスのスペクトル、ナイキスト第一基準による最小帯域、ロールオフフィルタとロールオフファクタ、符号間干渉、所要最小帯域幅の計算を問う問題。
解説:シンボル周期Tの矩形パルスのスペクトルはsin(πfT)/(πfT)(sinc関数)で、1/T毎にヌル点をもつ。ナイキストの第一基準は、最小帯域1/(2T)の理想矩形フィルタで帯域制限すれば符号間干渉(ISI)が生じないことを示す。実際には急峻な理想フィルタは難しいのでロールオフフィルタを使い、ロールオフファクタαが小さいほど帯域は狭いがジッタによるISIの影響を受けやすい。α=0.5・10Mbpsなら最小帯域=(1+α)/(2T)=(伝送速度/2)×(1+α)=5M×1.5=7.5MHz。ナイキスト帯域とロールオフの帯域式が要。
関連分野:ベースバンド伝送・ナイキスト(同分野の過去問が増え次第、ここにリンクを追加します)
まとめ
令和5年1月期1回の工学Aは、デジタル変調・多重化(8PSK/OFDM/MSK)、送受信機、電源、レーダー・航行援助、そして各種測定まで幅広く出ています。計算問題は公式に値を代入する形が多く、記述問題は各方式やブロックの役割を正確に覚えていれば取れます。テーマごとに「何を問われ、どの式・原理で解くか」を整理しておくのが近道です。科目全体の進め方は無線工学A 攻略へ。
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