【一陸技 過去問解説】令和5年1月期 第2回「法規」全20問のテーマと解き方

このページは、第一級陸上無線技術士「法規」令和5年(2023年)1月期 第2回(全20問)の解説です。

試験問題そのもの(問題文・選択肢)は、著作権の関係で転載していません。代わりに、各問が「どの条文のどんなテーマを問うているか」を要約し、押さえるべき要点を解説しています。実際の問題は、日本無線協会が公開している過去問でご確認ください。

科目全体の攻略法は法規 攻略、勉強の進め方は独学合格ロードマップをどうぞ。

各問には「令和5年1月期2回 法規 A-1」のような通し番号を付けています。今後ほかの年度・回の解説が増えると、同じテーマの問題どうしを「関連」でリンクしていきます。なお法規は20問(A-15問+B-5問)です。

この回(令和5年1月期 第2回)の他科目の解説:無線工学の基礎無線工学A無線工学B

目次

A-1 免許後の変更(電波法9・17・18・19条)

要約:固定局の免許後の変更(指定変更・許可・変更検査)に関する記述から、規定に適合しないものを選ぶ問題。

解説:周波数等の指定変更(19条)、目的・相手方・設置場所の変更や無線設備の変更工事の許可(17条)、変更検査に合格後でないと運用できないこと(18条)などが問われる。変更工事は周波数・電波の型式・空中線電力に変更を来さず、技術基準に合致する必要がある。各条文の要件(許可か届出か、検査の要否)をすり替えた記述が「適合しないもの」になる。

関連分野:電波法・変更手続(同分野の過去問が増え次第、ここにリンクを追加します)

A-2 免許の有効期間(電波法13条・施行規則7条)

要約:無線局の免許の有効期間と、局種ごとの期間の組合せを問う問題。

解説:免許の有効期間は免許の日から起算して5年を超えない範囲内で総務省令が定める(再免許は妨げない)。地上基幹放送試験局・実用化試験局などは2年、その他の無線局は5年が定められている。「5年を超えない範囲」という上限と、局種ごとの具体的年数を押さえる。

関連分野:電波法・免許(同分野の過去問が増え次第、ここにリンクを追加します)

A-3 運用開始・休止の届出(電波法16条ほか)

要約:運用開始の届出、一定期間以上休止する場合の届出、届出を要しない無線局の範囲を問う問題。

解説:免許人は免許を受けたら遅滞なく運用開始の期日を届け出る。届け出た無線局を1箇月以上休止するときは、その休止期間を届け出る(変更時も同様)。基幹放送局、電気通信業務の海岸局・航空局、標準周波数局などは届出の扱いが個別に定められている。休止届の期間(1箇月以上)と対象局種を押さえる。

関連分野:電波法・運用開始届(同分野の過去問が増え次第、ここにリンクを追加します)

A-4 人工衛星局の無線設備の条件(電波法36条の2ほか)

要約:人工衛星局の無線設備の条件(遠隔操作、位置維持、電波発射の停止)に関する記述から、適合しないものを選ぶ問題。

解説:人工衛星局は無線設備の周波数・空中線電力を遠隔操作で変更でき、電波の発射を遠隔操作で直ちに停止できなければならない。対地静止衛星の人工衛星局は公称位置から緯度・経度それぞれ±0.1度以内(中継用は経度±0.1度以内)に位置を維持する。位置維持の許容範囲(緯度・経度の別)や遠隔操作の要件をすり替えた記述が誤り。

関連分野:電波法・人工衛星局(同分野の過去問が増え次第、ここにリンクを追加します)

A-5 周波数測定装置の備付け(電波法31・37条ほか)

要約:周波数測定装置の備付け・検定・除外条件に関する記述から、適合しないものを選ぶ問題。

解説:備付けを要する周波数測定装置は検定合格品でなければ施設できず、その誤差は使用周波数の許容偏差の2分の1以下。空中線電力10W以下の送信設備などは備付けを要しない。「26.175MHzを超える周波数の送信設備には備え付けなければならない」は、これらが除外対象であることと逆なので誤りになりやすい。除外条件(出力・周波数)を正確に押さえる。

関連分野:電波法・周波数測定装置(同分野の過去問が増え次第、ここにリンクを追加します)

A-6 伝搬障害防止区域の指定(電波法102条の2)

要約:重要無線通信の伝搬障害防止区域の指定について、対象周波数・区域の幅・対象業務・図面の備付け先を問う問題。

解説:総務大臣は890MHz以上の電波による特定固定地点間の重要無線通信の伝搬障害を防ぐため、電波伝搬路の中心線の両側それぞれ100m以内を伝搬障害防止区域に指定できる。重要無線通信には電気通信業務・放送・人命財産保護・船舶航空機の安全運航・電気供給・鉄道運行などが含まれ、区域を表示した図面は総務省及び関係地方公共団体の事務所に備え付けて縦覧に供する。周波数(890MHz)・幅(100m)・対象を押さえる。

関連分野:電波法・伝搬障害防止区域(同分野の過去問が増え次第、ここにリンクを追加します)

A-7 空中線電力等の定義(施行規則2条)

要約:平均電力・等価等方輻射電力・尖頭電力・搬送波電力の定義から、適合しないものを選ぶ問題。

解説:平均電力は最低変調周期に比べ十分長い時間で平均した電力、等価等方輻射電力は供給電力に絶対利得を乗じたもの、尖頭電力は変調包絡線の最高尖頭での無線周波数1サイクル間の平均電力。搬送波電力は無変調状態での無線周波数1サイクル間の平均電力であり、「最大の電力」とする記述は定義と異なり誤り。各定義の「平均か最大か」「どの状態か」を正確に押さえる。

関連分野:施行規則・用語定義(同分野の過去問が増え次第、ここにリンクを追加します)

A-8 空中線等の保安施設(施行規則26条)

要約:空中線系・カウンターポイズに設ける保安装置と、適用が除外される無線設備を問う問題。

解説:無線設備の空中線系には避雷器又は接地装置を、カウンターポイズには接地装置を設ける。ただし26.175MHzを超える周波数を使う無線局や、陸上移動業務・携帯移動業務の無線局の空中線については除外される。設ける装置(避雷器/接地装置)と除外対象を押さえる。

関連分野:施行規則・保安施設(同分野の過去問が増え次第、ここにリンクを追加します)

A-9 周波数の安定のための条件(無線設備規則15条)

要約:周波数を許容偏差内に維持するための送信装置・発振回路の条件を問う問題。

解説:送信装置はできる限り電源電圧や負荷の変化によって発振周波数に影響を受けないこと、発振回路はできる限り外囲の温度・湿度の変化に影響を受けないこと、移動局(移動するアマチュア局を含む)の送信装置は実際に起こり得る振動・衝撃によっても周波数を許容偏差内に維持することが求められる。安定を乱す要因(電圧・負荷・温湿度・振動)と対応を押さえる。

関連分野:無線設備規則・周波数安定(同分野の過去問が増え次第、ここにリンクを追加します)

A-10 無線局の運用(電波法56〜58条)

要約:混信等の防止、擬似空中線回路の使用、アマチュア局の暗語禁止などの運用規定から、適合しないものを選ぶ問題。

解説:他局や総務大臣が指定する受信設備(電波天文業務用など)に妨害を与えないよう運用する(遭難・緊急・安全・非常通信は除く)、機器の試験調整や実験等無線局の運用ではなるべく擬似空中線回路を使う、アマチュア局の通信に暗語を使ってはならない、などが基本。これらの条件や除外をすり替えた記述が誤りになる。各運用原則と例外を押さえる。

関連分野:電波法・運用(同分野の過去問が増え次第、ここにリンクを追加します)

A-11 送信空中線の型式・構成(無線設備規則20・22条)

要約:送信空中線が備えるべき条件と、指向特性を定める事項の組合せを問う問題。

解説:送信空中線は、利得及び能率がなるべく大、整合が十分、満足な指向特性が得られること。指向特性は、主輻射方向及び副輻射方向、水平面の主輻射の角度の幅、設置位置の近傍にあって電波の伝わる方向を乱すもの、給電線からの輻射などによって定める。条文が挙げる要件・事項を正確に対応づける。

関連分野:無線設備規則・送信空中線(同分野の過去問が増え次第、ここにリンクを追加します)

A-12 無線従事者の免許証(施行規則38条ほか)

要約:免許証の再交付・返納・携帯に関する記述から、適合しないものを選ぶ問題。

解説:免許証を失って再交付を受けるときは申請書に写真を添えて提出、氏名変更時は免許証・写真・変更事実を証する書類を添える。再交付後に失った免許証を発見したら一定期間内に返納し、業務に従事しているときは免許証を携帯する。返納期限・添付書類・携帯義務をすり替えた記述が誤り。各手続の要件を押さえる。

関連分野:施行規則・免許証(同分野の過去問が増え次第、ここにリンクを追加します)

A-13 非常通信(電波法52条)

要約:非常通信の定義(事態の範囲、利用できない通信手段、目的)の組合せを問う問題。

解説:非常通信は、地震・台風・洪水・津波等の非常の事態が「発生し、又は発生するおそれがある場合」に、有線通信を利用できないか著しく困難なときに、人命の救助・災害の救援・交通通信の確保・秩序の維持のために行う無線通信。「おそれがある場合」を含むこと、手段が「有線通信」、目的に「交通通信の確保」が入る点を押さえる。

関連分野:電波法・非常通信(同分野の過去問が増え次第、ここにリンクを追加します)

A-14 周波数の測定(電波法31条ほか)

要約:周波数測定装置を備えた無線局の測定・報告・較正の義務から、規定に適合するものを選ぶ問題。

解説:自局の発射電波の周波数を測定し、偏差が許容値を超えたら直ちに措置して許容値内に保つとともに、その事実と措置の内容を総務大臣(又は総合通信局長)に報告する。測定装置は許容偏差の2分の1以下となるよう較正する(3分の2は誤り)。「他局の周波数を測定して報告」など義務の対象を取り違えた記述は誤り。測定・報告・較正の正しい内容を押さえる。

関連分野:電波法・周波数測定(同分野の過去問が増え次第、ここにリンクを追加します)

A-15 臨時の電波発射停止命令(電波法72条)

要約:総務大臣が臨時に電波の発射停止を命じられる場合に該当するものを選ぶ問題。

解説:72条は、無線局の発射する電波の質が総務省令で定めるものに適合していないと認めるとき、臨時に電波の発射の停止を命じることができると定める。目的外運用や空中線電力の超過などは別の条(76条等)の処分対象であり、72条の「電波の質の不適合」に該当する記述を選ぶ。72条の要件(電波の質)を押さえる。

関連分野:電波法・発射停止命令(同分野の過去問が増え次第、ここにリンクを追加します)

B-1 主任無線従事者(電波法39条)

要約:固定局の主任無線従事者の資格・監督・選任届出・職務・講習に関する記述の正誤を判定する問題。

解説:主任無線従事者は操作の監督ができる無線従事者で、総務省令で定める非該当事由がないこと、無資格者は主任の監督下でないと一定の操作ができないこと、選任・解任時は総務大臣に届け出ること、選任された主任は定める職務を誠実に行うことが基本。免許人は選任届出をした主任に、定める期間ごとに総務大臣の行う「講習」を受けさせる(「訓練」ではない)点が定番のひっかけ。各義務と用語を押さえる。

関連分野:電波法・主任無線従事者(同分野の過去問が増え次第、ここにリンクを追加します)

B-2 免許申請の審査事項(電波法7条)

要約:総務大臣が固定局の免許申請を審査する事項に該当するか否かを判定する問題。

解説:7条の審査事項は、工事設計が無線設備の技術基準に適合すること、周波数の割当てが可能であること、開設の根本的基準に合致すること、業務を維持するに足りる財政的基礎及び技術的能力があること(特定の無線局について)。固定局では財政的基礎・技術的能力の審査の有無が局種により異なる点に注意し、条文の列挙に照らして該当・非該当を判定する。

関連分野:電波法・免許申請審査(同分野の過去問が増え次第、ここにリンクを追加します)

B-3 電波の型式の表示(施行規則4条の2)

要約:電波の型式の記号(F8C・G7D・F3E・C3F・F9Wなど)の意味の正誤を判定する問題。

解説:3文字記号は「変調の型式/信号の性質/伝送情報の型式」を表す。たとえばF3Eは周波数変調・アナログ単一チャネル・電話、G7Dは位相変調・デジタル2以上のチャネル・データ伝送等。各記号の文字・数字の対応を正確に覚え、C3Fの「独立側波帯/ファクシミリ」など定義をすり替えた記述を見抜く。記号の意味の暗記が核心。

関連分野:施行規則・電波の型式(同分野の過去問が増え次第、ここにリンクを追加します)

B-4 無線通信の秘密の保護(電波法59・109条)

要約:無線通信の秘密の保護とその罰則に関する穴埋め問題。

解説:何人も、法律に別段の定めがある場合を除き、特定の相手方に対して行われる無線通信を傍受してその存在・内容を漏らし、又は窃用してはならない。無線局の取扱中の無線通信の秘密を漏らし窃用した者には罰則があり、無線通信の業務に従事する者が業務上知り得た秘密を漏らし窃用したときは、より重い罰則が科される。保護の対象(特定の相手方)と、立場による罰則の差を押さえる。

関連分野:電波法・秘密の保護(同分野の過去問が増え次第、ここにリンクを追加します)

B-5 不正手段による免許取得時の処分(電波法79条)

要約:無線従事者が不正な手段で免許を受けたときに総務大臣から受けることがある処分に該当するか否かを判定する問題。

解説:79条では、無線従事者が不正な手段で免許を受けた場合などに、免許の取消し、又は3箇月以内の期間を定めた業務従事停止の処分ができる。一方、無線局の運用停止や周波数・空中線電力の制限といった「無線局」に対する処分は、無線従事者個人への処分とは別であり該当しない。無線従事者個人への処分(取消し・従事停止)の範囲を押さえる。

関連分野:電波法・無線従事者の処分(同分野の過去問が増え次第、ここにリンクを追加します)

まとめ

令和5年1月期2回の法規は、電波法・施行規則・無線設備規則・無線局運用規則・無線従事者規則からの条文知識が中心です。定義(空中線電力・電波の型式)、数値(有効期間・周波数・許容偏差)、手続(許可・届出・検査・再交付)、処分の種類などを正確に覚えることが得点に直結します。条文の言い回しのすり替えを見抜く力が問われます。科目全体の進め方は法規 攻略へ。

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